ばたん、扉を閉める音が響いた。深夜、自家用車よりも4トントラックのお客の方が多い。ばたん、もう一度響く。 龍二のスウェットはずり落ちて腰パンどころか腿パンだ。伸びをするのでへそが見え、低い気温も相まって寒々しい。 俺には運転ができない。つま…
生い茂る常緑樹のまんなかを歩いてゆく。ときどき下へ降りる階段があるけれど、香梨はちらりと見るだけですべて通り過ぎる。 香梨の大きなリュックは布類でいっぱいで、なにか食べるものは、元気のチョコレートしか入っていない。 元気のチョコレートは、理…
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