2019-01-01から1年間の記事一覧
ばたん、扉を閉める音が響いた。深夜、自家用車よりも4トントラックのお客の方が多い。ばたん、もう一度響く。 龍二のスウェットはずり落ちて腰パンどころか腿パンだ。伸びをするのでへそが見え、低い気温も相まって寒々しい。 俺には運転ができない。つま…
生い茂る常緑樹のまんなかを歩いてゆく。ときどき下へ降りる階段があるけれど、香梨はちらりと見るだけですべて通り過ぎる。 香梨の大きなリュックは布類でいっぱいで、なにか食べるものは、元気のチョコレートしか入っていない。 元気のチョコレートは、理…
自意識過剰とぜったいに思われると思うんだけどこういうときのために煙草を常備している私は女だ。 スカートの丈は短すぎずセーターの胸元は開きすぎないのに、飲み会で外の空気を吸いに行くためだけに煙草を持ち歩いている私はちぐはぐな女。 夏のそれは感…
君のところの紅葉はどうですか。 わたしのいるところの紅葉は素敵に赤いです。 雨の多い街にいま住んでいます。先週はほんとうに雨が降り通しでした。鬱になる。 じっさい、日照時間の少ない場所の人は精神疾患に罹りやすいそうです。 それでわたしというの…
バスが完全に停止した。ここからは歩いてゆかなければならないらしい。 乗客らはそれぞれの相手と囁きあっている。どよめきあっている。手段が断たれたときの対処が、楽だというのはひとり旅の良い点だ。 香梨は大きなリュックを背負って、通路を縫い歩く。…
キスをするので憤慨した。 恋に落ちる代わりに、寝る代わりに、特別にする代わりに、キスをひとつされたものだから。 深夜3時8分、それはかいた胡座のしっくりこなさと専門外の作業の進度といろいろ、あいまってしきりに眺めた時計へ最後の一瞥をくれた時…
弟は覚えているだろうか。 私が17のとしのころ、夏はこんなに暑くはなかった。つまり人を殺してしまうほどには。蚊さえも狩りに行けないほどには。 本家はすこし田舎にあって、探検していない道は山ほどある。田んぼのあぜ道は急に終わり迷路になりうる。…
部屋は静かだ、音はある。 家のすぐそばに国道が通っていて、深夜でも車通りは多く、とくに今ごろの時間帯であればたまに頭の悪い爆音カーも過ぎ去っていったりするのだった。 でもこの部屋のなかは静かだ。俺からは音を発さない。俺たちからは音を発さない…
単純明快 わかりやすいということはいいことだ。少なくともわかりやすいということは、わかりやすいという長所を持っているからだ。 深いだとか 難解だとか ひとことでは表せないだとか そういう 複雑なのは悪いことだ。少なくともわかりにくいという目に見…
するすると流れていく こぼれ落ちていく 消えていく ほどけていく毎日をなんとか手元へ残しておこうとつける日記は未練たらしい。 消費している自覚はあるけど 1日いちにちに手をかけ 体重を乗せて 明日へ明日へその明日へ進んでいくしかやり方を知らないの…
花柄のワンピースで街に出たい、とつねづね、考えていたのでそうした。 赤の地に白の小花の散ったワンピース、赤いリボンの麦わら帽子、そばかすのメイク、ヒールのあるサンダル。 見てもらう人を設定せずにするおしゃれは清潔。しゅらりと、立てる気のする…
ちょっとオカマ風味の18歳メキシカンボーイが、先週学校を卒業した 明るくて 冗談をたびたび言ってクラスを和ませてくれる子だった 学校最終日、70手前のおばあちゃん先生がみんなの前で彼にこう言った 「あなたは 強い心を持ってる素晴らしい子だから、誰か…
ノールックで手を伸ばして青いペットボトルを掴む、薄く濁った明度の部屋のなかの空気を吸い込むとこんなに、しみったれているのにどうしてか新鮮な気持ちがした。 果てしなく遠いテレビ台の上の埃にまみれたデジタル時計がいうには8:06へんなの、このひとは…
ひさしぶり 元気にしてた? 君が元気にしていようといなかろうと わたしの眼前の君が元気ならそれでいいわけなんですけど 「好かれる」ということについては いくつかのノウハウがすでにあって、それやのに「好きになる」やり方を教えてくれるものって世の中…
はい、はわゆ 異国にいるとは思えへんほどリラックスしているなうです レジデンスの共用スペースに陣取って窓辺でコーヒーを飲んでおります お母さまに 関ジャニ∞のDVDをいくつか持ってきていただいたものの、プレーヤーを持ってきていないので観られており…
お久しぶりです カナダにいます、ウェストオブカナダ バンクーバーから車で5時間、飛行機で1時間弱、観光資源は美しきオカナガン湖とワイナリー、カジノを擁するリゾートホテルもあります ケロウナというところです、田舎です 休日にうろうろしようもんな…
未だに、死というものはよくわからない。 妹の出てくる夢を見る頻度が減ったことが悲しい、夢のなかでは当たり前のように私のそばに存在する妹。 昨日から今日にかけて、カナダに一緒に留学する夢を見た。出発当日、「なあんや」と思った。 「なあんや、こい…
さて ひさしぶりのにっき!!! なぜならこの卒業式前後、わたしはまっっったく文章に触れることをしていなかった、創作にすら触れてなかった、読むことは2日くらいまえようやく再開したけど映画はまだ観ていないし創作もいっさいしてない。 それほどに卒業…
さて 心は あるいは脳みそは 知らずにダメージを負ってるから恐ろしい、マイナスな言葉を発すると自分まで傷ついてしまう、相手が不在なら傷つくのは自分だけ なんちゅうこっちゃ。 団地を見るとき、あの光のひとつひとつの元に何人かずつ宿っていてそれはす…
22歳になった今日、朝から二日酔い しかし昨日、祝ってもらってプレゼントとかももらっちゃって!嬉しくてサイコーだったので二日酔いもなんとなく嫌じゃなかったりして 本読みながら昼寝したら回復! 夜には元恋人が祝ってくれる お肉のリクエストは無事聞…
べつに死にたいわけじゃないんだけどな どうしてわたし達は死にたいと言ってしまうんだろうな よく、しにたい は しあわせになりたい の略だと言われますが… 死にたい=幸せになりたい、なのか?ほんとに? 広義で言えばノットイコールではないやろうけど、で…
「バナナジュース」というのは、錦戸亮が作詞を担当した、横山裕と錦戸亮のユニットソングだ。 横山くんが、それまで楽器をできなくてバンドのなかではボンゴを叩いて(というか撫でて)たのを、音楽について蚊帳の外だっしゅつ!というか蚊帳の中へさんにゅ…
1年か2年か前までは、隠居したい!と思ってたわけですよ 田舎の平屋に住む 毎日 小さな家庭菜園に水をやり 近所の無人販売所で買ってきた採れたて卵を毎朝目玉焼きにして冬の早起き 靄の充満する美味しい空気のなかを散歩 ……とかそういう、でもわたしの性…
死にたいとき、孤独なとき、本を読む 電車のなかで、家で、スタバで(スタバのだんぜん良いところはどこでも変わらない内装や店員さんの雰囲気とどこにでもあるということ) 人生において救いというのは 創作があるということだ 永遠の恋や愛 不変の事実 完…
人称というものに悩んでいます。 何気なく読んでる小説の 何気ないn人称が 何を効果的に表現しているのか 小説を好きなくせに大して考えていない 三人称の文章はやっぱり、俯瞰できるのが強みですよね 映像ぽくで、映画みたいな文章をつくることができる で…
男性のなにがいいってやっぱり声ですよ わたし ほとんど女性シンガーの歌って聴かないんですよ やっぱり 身体にでっかいパイプ入ってるようなよく通る太い声っていいなあ だから 芸人さんとか 好きなんですよね やっぱり声ですよ 人間て で 思うんですけど …
剃刀を長い時間使うと ぜったいに指の爪をガッといってまう 血が出たり、出なかったりだ 右手に集中して左手がお留守になり、左手の所在について思考がいかず、ガッといってまう 手を滑らせて剃刀を落とし、咄嗟に掴んでガッといってまう まあ主にこういった…
恋愛というのはいろいろあると思いますが あ、待って! これを言わなきゃ始まらねえ 真剣な俺のeyes 高らかに宣言始まりの合図 俺のなけなしのライフ 削るこのライブ yoyo えー、みなさま明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします と…