そうそう、あの話

 

 

 

 

お湯を飲んだら すげー体ポカポカしてさあ、しゃーあせな気持ちで お布団に入れるよね

 

眠い目をこすりながら、普段なら絶対に起きない朝早くの時間に起きてさ、渡り廊下をぺたぺた歩いて ガラス張りのバイキング会場に行く幸せ

 

少し風のある寒い日に広い温泉を独り占めして、水面から立ち昇る湯気を見る

 

道端の蔦のつくる壁はなぜかふわふわしてそうと思ってしまう

 

心地よい声で喋る人の喋る話、内容はなんでもかまわない、聴いているだけで天にも昇る気持ち

 

チリドックのソーセージはパリッとしててジューシーであれだけで幸せになれるのに、量が少ないと感じてしまう それくらいがもしかしたらいいのかな

 

あたしは恋愛小説って断然、ミステリーより政治系小説に似ていると思う

 

授業のプリントが手に触れるのはものすごく不快、なのに文庫本の紙はいつでも手に馴染む

 

ああスーパーのサッカー台の指濡らすスポンジ触るときのあの決心あの勇気

 

友達の友達とうまく友達になれない狭量さ

 

次の日に予定がない夜の、眠ったら朝になってしまうという強迫観念から解き放たれた気持ちプライスレス

 

昔、田舎(それはひいばあちゃんら親族が住んでいる土地という意味での)で、親戚のおじさんがまな板を2つの包丁でパタパタパタパタ叩いて作っていたなめろうの得体の知れなさ

 

ぬいぐるみを愛せない

 

キャップが似合わないんだけれどどうして、ハットはこんなに似合うのに

 

これは絶対いると思って買ったものは大抵いらなくなる、素敵!好き!と思って買ったものはずっとのお気に入りだ

 

思い出すときがあるからといってあなたのことを忘れているわけではない

 

一瞬のためにすべてを捨てることのできる人はきっとそれをできない人より、食べたとしたら美味しい人生を送っているのだろうなあ

 

ああ育ちきったつくしの、千切って、また繋げて、繋ぎ目を探す遊び

 

あたしの食べたものをあなたも食べてそして同じ熱量で美味しいと思えることの幸せ幸せ幸せ

 

枕は、別に清潔じゃなくてもいいと思うんやけど そこらへんは、どう?

 

とっておき!はたまにしか引っ張り出さない方が良い

 

朝靄、朝靄の親しさ、制服と短い靴下と重い合成革の鞄、そして朝靄 もう二度と見られない

 

スキー場のカレー、その匂いと、スキー靴のホックをやっと外した足の開放感 分厚い靴下、銀色の大きなスプーン 豚肉

 

生姜焼きは、ママの作ってくれる、ロース肉のやつが好きだし、それ以外の、豚こまのやつとかは、全然、生姜焼きではなくて、生姜風味の豚肉炒め だと思っています、ごめんね

 

あたしから最も遠いもの、二度と交わらない人生を送っているもの、それはあの小豆の、あの紫色の、カンカンのおしるこ

 

マフラーを巻いてるのと巻いてないのとあったかさが段違いであれは本当に、驚くし首を温める方法としてあの、長い布を使い出したやつ、すごいし、少々の布の無駄では

 

なんでもこの足で蹴り飛ばして この口で汚い言葉で罵って 手で叩いて 全部拒絶してたくせに好かれたかった時期、あれは最悪だったクソ

 

まだ全然好きだよとか言って だからといってなにも変えられないんじゃあ、口にする意味もないしそれなのにあたしは 意味のないことや無駄を たぶん 文字の上でだけは 愛している

 

手紙を書くといつも本題に入るまでに紙の半分以上を使ってしまって、それから焦って本当に言いたいことを書くので、なんだかよくわからない内容になってしまう

 

違うことが悲しい。

 

 

 

おわり