ちょっと前までもう〜他人を求めて求めてしてたけど
さいきん 食欲のほうに欲望が遷移して
食べまくり、毎日、そして身体もしゃっきりしないし脳みそも重く、靄がかかり
なんにも考えられない日々です。
「結婚というのは自分用の男の人を持つということなのかもしれない」
これは、江國香織が結婚についてのエッセイのなかで書いていたことだが、
結婚どころか何年間も男性を所有したことのないわたしにはしっくりこない(ちなみに、「人は人を所有できても独占はできない」というのも彼女の言葉だ、本当にその通りやと思う)。
しかしもって、なんとなく想像はできる。
私は女の身体をもって生まれ、いいか悪いかわからんがどっからどうなぞっても女性的な曲線を描いてしまうような輪郭をしている。
肩は日本人女性のほとんどのように薄くないが丸みを帯びているし、胸の膨らみは大きくないがゼロではないし、自分の体の中でいちばん好きな背中からお尻にかけてのバイオリンじみた曲線はなんとも女らしいし、なんといってもブラジル人にモテそうな(酷い隠喩だ)お尻をしているし、………。
だからこそ憧れる、尖った肩や厚い背中、小さなお尻も手のひらの質感も。
男性の身体。
どうしたって手に入れられない異性の身体を、所有できるのが結婚なのだろう。
自分用の男の人。
その髪も背骨も筋肉も頬もぜんぶ、私のもの。
なんて素敵なことだろう!!!
自分の手足が拡張されたような、疲労を知らず無限に歩いていけるような、本来ひとつしかない脳みそでは感じ得ない場所にあるものさえ知覚してしまうような!!!
万能感!!!!
それが結婚なのだとしたら、がぜん、したい!!
愛し合ってるなら その上で とくに子どもを望まないなら、一緒にいるための契約なんていらないんじゃないかってたぶんみんな一回以上考えたことあると思うけど。
私も例に漏れず、考えてきた。
他の女の人なんて見ないでずっとずっと一緒にいて嫌いにならないで家族になってでも女としても見続けて、ってそんな不確かな、人生を全否定するような契約なら要らないんじゃないかってさ〜。
でもなんか、所有するため、そのための契約、と思ったらとてつもなく楽しそうに見えてきた。
なんか漫画みたい。
それなら私は結婚指輪の代わりに 身体のどこかに刺青を入れて欲しい。より"悪魔の契約"感があってかっこいい。自分用の男の人、っていうスタンプを押したい。
精神的な繋がりよりもよっぽど野蛮で理にかなっている。それがいい。それならめちゃくちゃしたい、結婚。
いやいやいやいやいや〜、違う違う違う!
心のコネクト!絆!家族になるという意識!それが結婚!!!!!!
と思うと思うみんな。
目に見えないものを、同じく目に見えない言葉を通して 婚姻届という紙を使って具現化して、それで信じられるならそれってトゥルーラブ。
口約束なら信じられないものを 書面化したら信じられるって催眠術みたい、でも、素敵。
わたし催眠術好きやし。
ただ 自分用の男の人 という概念が私にしっくりきたので、私もそれ欲しいな、って感じ。
なにかを所有するにはきっと痛みや苦しみが伴うだろうけども、限りなく物理ならば耐えられよう。
そして物と同じように、自分用の男の人が魅力的に見えなくなったり、必要なくなれば手放してしまえばいい。物とは違って人間は自活できるわけやから、罪悪感は少ない。捨てるわけじゃないし。
はあ〜〜〜
冬がくるわけよ。