冬の小説よりも夏のお話のほうが百倍おもしろいやろ

 

 

 

足先がじんじんと、温度を持ち肉体を自覚し、血流を惹きつけ保っているのは、さっき食べたあんかけラーメンのおかげだった。私というのはいつでも、食事のまえにいちばん体温が下がってしまう。それで手指、足指の先を岩のように冷たくして、濡れる睫毛に水分を乗せて、夏のそれより粒子を元気にきらきら光る看板に、駆け込み注文したあんかけラーメンの。不味さといったらなかった、いやあれは。不味いというのではなくたぶん単純に美味しくなかったのだ。スープというのは基本的に、調味料の味を薄めてつくられるのだから当たり前のはずの、あのなにか濃いものを伸ばしたもの、液体、という感じ、あれが強く残りすぎていた、水の味が、強すぎた。それで単に美味しくないあんかけラーメンの、それでもとろとろと半分覚醒して見る夢のような固さのスープ、あれが冷え切った身体に与えたエナジーは確かで、味覚というのはつくづくコミュニケーションのためにあると、思わされたのだった。そうして話す相手がいなければ、不味さも美味しさもすべて、無に帰してしまうのだと。

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↑不親切。

散文を書くなら、それなりにエンタメでないといけないはずだ。なにか有益な情報を与えるのでも、日記でもなく、創作ならばその時点で、読む人間を楽しませる気概がなければいけないと思う。そもそも書いてて楽しくない。必要なのはリズムだ。やり直し。

 

 

 

 

足先がじんじんと、温度を持ち肉体を自覚し、血流を惹きつけ保っているのは、さっき食べたあんかけラーメンのおかげだった。

私というのはいつでも、食事のまえにいちばん体温が下がってしまう。それで手指、足指の先を岩のように冷たくして、濡れる睫毛に水分を乗せて、夏のそれより粒子を元気にきらきら光る看板に、駆け込み注文したあんかけラーメンの。

不味さといったらなかった、いやあれは。

不味いというのではなくたぶん単純に美味しくなかったのだ。スープというのは基本的に、調味料の味を薄めてつくられるのだから当たり前のはずの、あのなにか濃いものを伸ばしたもの、液体、という感じ、あれが強く残りすぎていた、水の味が、強すぎた。

それで単に美味しくないあんかけラーメンの、それでもとろとろと半分覚醒して見る夢のような固さのスープ、あれが冷え切った身体に与えたエナジーは確かで、味覚というのはつくづくコミュニケーションのためにあると、思わされたのだった。そうして話す相手がいなければ、不味さも美味しさもすべて、無に帰してしまうのだと。

舌がなくなればいい。味を、好みを認識してしまう脳というよりも、知覚するための舌が、なくなれば。

そうすれば私には味がわからなくなり、とろとろの甘えた、馬鹿に食べさせる防寒用のあんかけスープ、青臭い野菜の味そのままに、身体の組織のための少しの塩分だけを加えた、をだけ食べればよいし、そうして、言葉を感情を、口にすることもできなくなる、たとえばどこへも行かないでほしいだとか、ずっとここにいてくれなくてもいいからだとか、そういう独りよがりな叙述トリックみたいな、彼に言わせれば”感情100”の、言葉を。

どこかから止まれずに旅をしてきた風が頬をぶつ。鼻の奥の粘膜がすうと乾いていく、頭蓋骨の外へ根を伸ばす脳みそが、無意味な液体たる食後のコンビニコーヒーで余計に水分を求めて、きりきりきううと音をたてるようだ。マフラーによって跳ね返った呼気はしかしオアシスの役目を持たず、睫毛をばかり濡らす。そのせいで景色はまたきらきらと輝く。

悪循環だ。

帰る場所がない。帰れば”感情20”がいる。それに彼は待っていないのだ。私の帰りを。漫然と横たわっているだけなのだ。存在しているだけだ、ふたりで家賃を払う家に。

ともあれあのあんかけラーメン。

結露した引き戸をがらりと開けて飛び込んだ、魅惑的な店内と、厨房に立つ老夫婦、割り箸の割れる意外なほど乾いたぱしっという音、黄色くて繊維がぽろぽろとれる不快なおしぼり、あれら、からの、あのあんかけラーメン。

醤油を引き伸ばしただけのような味の。あたたかいだけの。私の身体に精神の関わり知らぬところで元気を与えたあの。ラーメン。

あの美味しくなさを笑うためだけに、私は歩き出した。

今夜は風が強くて、車はひっきりなしに左手のすぐそばを掠めるし、街の匂いはすっかり冬で、後ろから追い越していく歩道を疾走する自転車は嫌いで、私はなににも影響されずに、でも、だから帰るのだ。

恋人がただ寝そべっているだけの、とりあえずの我が家に。

 

 

 

↑終わり方がいい話っぽくなったら嫌やなと思ったのにちょっとなってムカつく。

というよりも改行も句読点も恣意的すぎてほとんどポエム(ポエム・詩を馬鹿にしてない、私が好きじゃないだけ)。

そういえば句読点の打ち方によって文章が読みにくいと指摘されたことがある。それでも変えない私はなんのために文章を書くのか。エンタメならば迎合しなさーーーい!!

 

↑というよりも文頭の字下げもないし情景描写はばらばらに曖昧で自己満足の域をいつまで経っても出ないくそ文字の連なりをエンタメとか言ってんな! ごめんなさい! というよりもそもそもSSとかちょっとした1000字程度の創作っていちばん嫌い! これは自傷のふりした通り魔ですね。

 

↑でもちょっとだけ読者を信用して書いた

 

 

 

 

 

 

とかいって

共感性羞恥びんびんにきてるやろ!!おら!!