何者か

 

 

 

「お前はオンリーワンやからなあ」

 

というのは、わたしの大切な人がわたしによく言う言葉です。これを言うときの彼の顔はなんとゆーか自分でいうのはなんですが…愛おしげやと思います。彼の表情を読み取れたためしがないのでそれが心情まで表すのかはわかりませんが表情はとにかくふんわりと優しげなのであります。

そうして、かくいう彼もオンリーワンなのです。自分がオンリーワンだということに自信を持っている人間です。

 

こないだ、ゼミの素晴らしきかしこの男の子によって、「オンリーワン」は「固有性を持っている」という言葉に置き換えられることを知りました。

固有性。わたしは自らの固有性を信じて疑わない。

 

しかしそれは、なんてったって今この瞬間に存在するのは大学生という肩書きを持った自分であるから、かもしれない。

大学生のわたし。

〇〇のわたし、〇〇の部分に社会的立場を意味する言葉が何も入らない状態を想像することはできるけど、実際になってみないとそれをどんな風に感じるかわかんないよな。

 

〇〇の部分に何もなくても 心細くなんてならない!という保証はないが……そしてたぶん、一人の夜にはなるが……

一人の夜における精神状態が、特異なものであるのか、そこが人間の本質なのか、どっちとして考えるのが正しいのかにもよるよな。

一人の夜は……完璧に一人の夜とは、現代人の深刻なるスマホ依存や、静かな気持ちでする読書、集中して行う映画鑑賞など…それをすべて終えて眠る前段階に入ったときのこと……。

寝落ちできたなら いいが、眠ろうと思っても眠れない夜……を、一人の夜とする……。

ふと訪れる不安は、完全に自分に帰属してしまう。百パーセントわたしのものとしてそこにいるのだ、不安も寂しさも絶望も悲しみも最悪の経験の記憶も。

布団の中で逃げ場がない。冷静に考えたらめちゃくちゃ恐ろしい。

 

わたしはスマホ依存であるが、外を歩くときや電車に乗るとき、空や鯉や草花を眺めるときにはスマホから離れる。もちろん映画を観るときと読書をするときはスマホをしないけどそれは違うくて、だからえっと百パーセント自分の思考が脳みそを占拠するとき、インプットとアウトプットがゼロのときがあるかどうかの話。

……みんなある?インプットもアウトプットもゼロのとき。誰とも喋らず、何も読まず、ただ自分という一人の人間の重さでもって世界に存在すること、寝る前以外に。

そういうときの自分は百パーセントで、そういうときは 一人の夜と違って無敵。所属を確認する必要もなくて、ただ単に「わたし」であることができる。たわしじゃなくて。

そういうときの自分が、正常なのだったら、きっと、社会的立場が明確でなくても、大丈夫なのだろうけど。心細くならなくて、強く自分を信じられるのだろうけど。

 

私が私であることに理由なんているか?

こんなに私として愛されて生まれてきたのに、私が私であることを誰か他人に例えば社会に、許されないといけない理由はなんだ?

 

 

 

 

というのも、性格診断で「あなたは飛び抜けて何かに優れているわけではない、適当にのらりくらりと生きていける人だ。でもそれは逆にすごい、人々は何者かになりたくて頑張ってるのにあなたはそれをせずなんとなくで生きていけるのだから」的なことを言われたんですよ。ネットの性格診断にですよ。なんやねんそんなパターン化した何個かのうちの1つにあてはめんなや。とか言ってまあ、

人々が何者かになりたくて頑張ってることすら知らんかったわ、と思ってさ。

 

「何者かになりたい」の意味がわからへんもんな。みんなオンリーワンやん、自分でしかないし、私は私で、何者か?って、私やん。私はあなたじゃないし彼じゃないし彼女じゃないし〇〇大学の生徒やからと言って他の〇〇大学の生徒とイコールではないし□□会社の社員やからと言って他の□□会社の社員と同じ人ではないやん。

 

あじゃあ逆に、そんなに自分が自分でしかないことが、嫌なん?そういうわけではなくて?

おいい〜、ほんまによくわからへんぞ、こんなによくわからへんことがあるなんて、というくらいにわからへんぞ、ん…?

んん……?

ロックスターになりたいってこと?有名人になりたいってこと?みんなに知ってほしいってこと?

何者かになりたいってなんや!?町に銅像たてられたいってこと?

何者かってなんやねん!!!!お前は何者でもないお前やろがい!!!!

 

どういうことですか?本当に誰か教えてくれたらありがたいです。

みんなオンリーワンやろ。「自分にしかできないこと」なんかべつに必要ないやん。

誰かに認めてもらわないと自分が自分でいられる保証がないってこと?

まあ確かに、自己の存在は認識する他者がいないとあり得ないやろうけど、ふとインプットもアウトプットもせずに一人でいるときにだってわたしはわたしだと胸を張って言える。他の何者でもないよ。

 

 

なんだか文章書いてるうちに大混乱してしまいました。トホホ

人生で一回は言ってみたい言葉は「さてはほの字なんじゃないの〜!?」です。

 

おやすみなさあい