サンクチュアリっていう、ネットフリックスオリジナルのドラマがめちゃくちゃおもしろかった。
母親が少し前にかなりハマっていて、強くおすすめされていたのだが、なにしろ題材がお相撲。
人生で、『アイシールド21』というアメフト漫画でしかスポーツに夢中になったことはない。しかも日本の国技?? っかぁ〜興味ない。伝統とはおしなべて自分とは離れたところで観光化されているものであり、生活とは完璧に切り離された場所にある。お相撲? ビッグ・ノー!
母によると、俳優さんが全員完璧にハマり役で、かっこいいの一言に尽きるとのこと。
それで先週くらい、軽い気持ちで再生したら最終話手前まで夜なべして一気に観た。めちゃくちゃおもしろかった。
でも、観ながらずーっと気になっていたことがあった。
ネットフリックスに登録している人は知っていると思うけど、チャプターを再生するごとに、画面の左上に注意書きが出る。
たとえば、「16+(言葉づかい)」とか出ていたら、登場人物がしきりにfuckとかshitとか言うので教育に良くないですよ、という注意喚起になる。他にも、暴力や性描写など、レイティングは細かく設定されているようだ。
そして、サンクチュアリ。
再生するたびに、左上に、「16+ 自殺」と出るのだ。
いや、自殺て!!!!!!!
それってネタバレやんか!!!!!
許されへんわ!!!!許されへんわあ!!!!!!!
暴力とか性描写とかは書いてくれてもいい、気にならない。
愛も暴力もどんな映画にだって出てくることやし、それによって展開がわかってしまうわけではない。パッケージみたいなものだ。イタリアの街並みみたいなもの。サーフボードみたいなもの。核心にもちろん迫りうるが、物語の筋には言及せずにすむ要素のひとつでしかない。
だが自殺。
これはもう、完全に展開だ。大いなるネタバレだ。死だってもちろん、愛や暴力と同じくらいにどんな映画にも登場するものだ。しかし、自殺はその限りではまったくない。自殺はそれだけで物語だ。きっかけで、起承転結における転で、内容で、シーンだ。
サンクチュアリを観ているあいだずーーーーっと、「このなかの誰かが自殺するんだ」と考えていた。考えていたし、物語が進むにつれて誰がそうなるのかも読めて、そして、それが読めていないほうが面白くドラマを観られた。
わかる。
自殺が苦手な人、じっさいの辛い体験と重なってしまいトラウマになっている人、危険を避けたい人がいることは理解できる。
その人たちのために、その人たちが地雷を避けられるように、指標を立てているのはわかる。
わかるけど、わかるけど、わかるけど!!!
中学生の頃、初めて友達と16禁の映画を観たことを思い出す。
それは映画版の『大奥』で、柴咲コウが主演のやつだった。なぜって当時大好きだった関ジャニ∞の大倉が出ていたから、私は観るっきゃなかった。
制服でドキドキしながらチケットを買った。だってまだ13歳かそこらだったから。
年齢によるレイティングで隠されたその向こう側になにがあるのか想像もつかなかったし、背伸びしてそのなかを覗き込むときの高揚感と背徳感は、他のなにとも比べられない。
映画のなかで描かれていたのは、ネットフリックスの基準で言うと「性描写」と「自殺」。でも映画館のスクリーンにはそんな注意喚起なんて書いてなくて、ただ、「16歳以下の子どもは観てはいけない映画ですよ」と大人にいちおう注意されただけで何がだめかなんて私たちはぜんぜん知らなかった。だからもちろん刺激的なそれらに対して心の準備なんてできていなかったし、だからこそ衝撃も大きかった。
だってでもさあ映画ってそういうものなんじゃないの?
受け身をさんざっぱらとって再生する映画があなたに傷をつけるの?
パッケージだけではわからない何かが確実にディスクの(フィルムの、テープの、ファイルの、)なかにはあって、それを実際に2時間や3時間やそれ以上の時間、じっくりどっぷり初めて観るからかけがえのない質量を心のなかでしっかり保つのでしょう。
なんでも「予期していなかった」から素晴らしいし、展開からその先を予期できたとしても、予期したその過程にまた価値が生まれるのではないのか、物語って、べつに、要素を、並べたものではないはずだ。
圧倒的に押し寄せる物語の波に、言葉の風景の仕草のシーンの波のなかに、それにまともに打たれて波が引いたあとに、まだ残る何かがあなたに残った「なにか」だ。
もっと言えば、
16歳以下だってなんだって、
おい、
ぼけ、
性描写や汚い言葉づかい、暴力や自殺などなど、センセーショナルな出来事に
拒否反応が出るやつ映画観るの向いてないからな!!!!!!!!!!!!
ぼけ!!!!!!!!!
黙って韓流ドラマだけ観とけ!!!!!!!!!!!!!!!!さよなら!!!!!!!!!!!
「25+ 韓流ドラマが悪いって言ってんじゃない」というレーティングつけとこっと