コミュニケイトしようよ!

 

 

 

カフェでアルバイトをしているフリーターです。

お客さんは いろいろ来ます。

もちろん、お気に入りのお客さんというのがいます。

ほんとうに一瞬のコミュニケーションを通して、わたし達 店員はお客さんの表情を見、アイコンタクトを交わそうとし、素性を想像し、お気に入りを決めます。

奇妙なものです。たかが1分にも満たないやり取りで、お客さんに対してなんかいいな と思ったり きらぁいこの人 と思ったりできちゃうのですから。

 

私としましては、いつもアイスコーヒーのグランデサイズを頼むおっちゃんが好きです。

夏場は アイスクリームも一緒に頼んでいたのですが 秋口からピタリとやめてしまいました。

私がおっちゃんを好きな理由は もっぱら その注文方法にあります。

「アイスコーヒーいっちゃんおっきいのー」

と言うのです。アイスコーヒーのグランデサイズを。

アイスクリームを頼む夏の日々のなかで 今日はアイスクリーム要らんな という日は当然あり、そのときのやり方は

「今日はアイスコーヒーいっちゃんおっきいのだけでーす」

なのです。

低い声で、けっこうきつめの斜視のおっちゃん。強面です。阪神の服を着ています。

決して「アイスコーヒーグランデで」とは言わないのです。

自分の流儀で、横文字を使わないステレオタイプで、でもちゃんと相手に伝わる言い方。

そのどっしり構えた なんというか おっちゃん特有の 歳をある程度重ねた人にだけ宿る 冷静さ。あれには安心できると思うのです。

 

好きな理由のふたつめは、窓際の ある席に座るところ。その席には お店で一揃いしかない 重心低めの椅子・机セットが置かれているのです。

そしてそこが占有されていた場合、すぐそばの、その席が見える椅子にその席に向かって座ります。

なんかお茶目でしょう。

お気に入りの席が窓際というところもお茶目やし、空いてなかったらその席を見られる位置に座るなんて。

だからといって別に お気に入りの席が空いたら移動する ということはしないってところも そのおっちゃんの好きなポイントです。

物事に程よくこだわりを持ち、でも執着しすぎない。

 

他のバイトの人によると、そのおっちゃんは近くの回転寿司屋の人だそうです。

あー、なんか 職人ぽーい。

やっぱり寡黙な雰囲気の男の人というのは安心感があっていいですね。

 

ところでスタバの店員さんというのはどうしてああも 感じいい人と感じ悪い人 両極端しかいないんでしょうね。

感じいい人は めちゃくちゃ感じいいので 私はぜったいに笑顔で接します。

しかし感じ悪い人というのは 「ありがとうございました」すらいいませんね。コンビニ店員や牛丼屋の店員の感じの悪さと違うんですよ。

めちゃくちゃ上から目線なんですよ。

「ミルク入れてください」って頼んだら まったくにこりともせずに「氷いったん捨てます?」とか言ってくるとかね。

言い方もきついんですよ。あと 勝手にわたしの頼むメニュー覚えてカスタマイズも勝手にやっといて「〇〇しときました。いつも美味しいです?」とか聞いてきたりね。

ララランドで ミアが「バリスタやってるの」と言ったとき 「ああ だからそんな上から目線な感じなんか」とセブが返したことが思われます。

上から目線の店員というのは鬱陶しいですね。

 

わたしはそうなってなかったらいいんですけど、なんし日本人の客は目を合わしませんからね。

目があったらめちゃくちゃ特上のスマイルをご提供してるんですが。ってこれがもう上から目線か。

上目遣いで媚びるのだけは上手いので、上から目線と思われてなかったらいいなあ。

 

ほんまに日本人というのは目を合わしませんね。

あと 挨拶も返しませんね。

店員が投げかける挨拶(おはようございます、こんにちはなど)は いらっしゃいませと一緒やとおもてんのかな。

かくいう私はカフェでもスーパーでもちゃんと返します。

だって挨拶ってリプライあってこそのコミュニケーションですもんね。

 

まあ、おきにのおっちゃんも挨拶返さへんけど。

それとこれとはべつ、てきな。

好きな人間は けっこうなにがあっても好きやし、逆もまた然りなのです。

友達になるまえからいけ好かんなって思ってた人は、友達になった後でもいけ好かんし、友達じゃなくなってからも まあ最初からいけ好かんかったしな ってなります。

好きな人は けっこうなにされても好きです。

いつも片思いのつもりで。

 

あ、そういえば芸人さんは目を合わしてくれる人が多いです。笑顔こそ見せなくても。

そゆとこ見るだけで 応援しよーって なりますよね。笑いかけてくれるなら 老若男女どんな客にも芸人にも好感を持てます。

自分が 店員から不当な扱いを受けてると思うなら、自分から笑いかけてみたらなにか変わるかもしれませんね。

 

ま、どーでもいいんですけどね、日常のうち0.01%くらいしか占めない店員とのコミュニケーション(笑)なんて。