私はさいきんめっきり、ジャニーズWESTに凝っている。
もとからちょっと好き、というかポジティブなイメージを持っていたグループだけれども、さいきん、かなり好きである。
なかでも好きなのが濵田崇裕。紫色のメンバーカラーの彼である。
じっさい問題、ありえない。私はほんらい、メジャー色しか好きではないのだ。
ジャニーズのメンバーカラーというのは、興味深い。
どのグループもそれを持っているし、オタクは自担の色のものを盛んに身につけては楽しむ。
というかもう、その色の物体を見たら自担を連想し、色を見るだけで「かわい〜」などと言ってしまうのである。
その色、イコール、自担という式が成り立ってしまう。
アクセサリーや服など、自ら望んでその色のものを身につけるのも気分が上がって楽しいし、たとえば出先の飲み物のストローやテーブルクロスの色なんかに偶然その色を見つけるのも嬉しくて楽しい。
オタクにとってそれほど、メンバーカラーというのは大事なのだ。
そしてそれはたぶんアイドル自身にとっても重大なものなのだろう。
彼らはまさに色そのものの特徴を、いつのまにか、それとも最初から、持ってしまう。
分かりやすくいこう。
関ジャニ∞でいうと渋谷すばるが赤色、これは圧倒的にセンターの、かつ関ジャニ∞というバンドのボーカル、顔である彼にはあまりに相応しい色だ。
オレンジ色の丸ちゃんは、まさに元気印のビタミンカラーが似合う。
そしてセンターにはなれなかった亮ちゃん。かっこよくてかわいくて華があるのに真ん中を張れるほど強くない黄色。ぴったりだ。
SixTONESでいうと全員の精神的支柱、いちばん大きくていちばん堂々としたジェシーが赤色、それ以外にない。
身体が細くていつもかっこつけてる田中樹が、男の子の憧れ、ブルーなのも当たり前だ。
いっけん中性的な見た目の京本大我がピンク色なのもわかる、そして、中身はじっさい謎に満ちているところだってピンクという色の持つ不透明さにマッチしている(気がする)。
わかりやすくないほう。
紫というのは大人びた、ミステリアスな、ある種神聖な色である。
なんだか村上くんとは正反対な印象だ。
でも、それを、「ナス色」と呼び替えることで、紫色は村上くんにじつにしっくりくることになる。
ナス。野菜のナス。あの丸くて鈍いフォルムは洗練されているとはとてもいえない。子どもの頃の好き嫌いが激しい食べ物といえば上位に出てくる、ナス。アクの強い野菜、くろぐろとした紫、野暮ったい庶民的な夏野菜、ナス。
その、全員に愛されるわけでもなけれど憎まれることは決してない、どこかフラットでやっぱりちょっと年上のふんいきのする、ナス色という表現が、紫色を村上くんの色にした。のだと思う。
SixTONESでいくと松村北斗、彼のメンバーカラーは黒色だ。
黒というのはとてもややこしい色だ、光らせられないからペンライトの色に困るし。
というかなにも反射せずにすべて吸収してしまう、黒という色は「メンバーカラー」向きの色ではないだろう。明るさとは真逆、クールというより拒絶感のある、その色はそもそも"アイドル"という看板には不釣り合いな感じがする。アイドルとは常に人々にポジティブな感情を抱かせるためにある虚像だから。
でもやっぱり北斗を見ると、彼のメンバーカラーは黒でしかありえないと思えるのである。それもマイナスなイメージなんてひとつもなしに。
個人的には彼の持つ中性的な魅力が、黒をあんなにも彼に似合わせるのかなと思う。中性的というよりいっそ女性的な部分が。
青色の樹の細さとはまた違う、細い腰とか。
ピンクの京本大我の可憐さとはまた違う、仕草の嫋やかさとか。
男らしい筋肉↔︎透けるような白い肌、明るい笑顔↔︎ネガティブな考え方、カリスマ的な感性↔︎庶民的な謙虚さ、その正反対のすべてが、彼のあべこべな魅力を醸し出す。その不安定な矛盾が混ざって黒色の求心力を生み出すのではないか。
どのグループにも、赤や青、ピンクや黄色のメンバーがいて、それ以外のメンバーがいる。
嵐は5人で5色なのに、紫色がいてピンクが不在だ(わかりやすく可愛い、姫になるポジションがいないのだろうか)。SixTONESには紫がいないし、尖ってたエイトに黒がいて底抜けに明るいWESTに黒はいない(そしてキンプリの色の表現は怖い)。
それぞれが使うことにした色、使わないことにした色には、グループのカラーもやっぱり関係してくるだろう。
キラキラななにわ男子には黒がいなくてキリッとしまらないけどふわふわかわいいだろうし、だからといってキラキラなキンプリには黒がいても雰囲気はギラギラしてしまわない。(SixTONESにはメンバーカラーの衣装がとても少ない。)
そして赤色が必ずしもいちばん人気を獲得するかといえばそうでないのもおもしろい。
(旧)関ジャニ∞なら緑と黄色、SixTONESなら黒とピンク、WESTは青とピンク、なにわ男子は緑(たぶん)がいちばん人気っぽい。グループ写真で端っこにいたとしても、人気順ではいちばんになれるのだ。
とはいえキンプリやHey!Say!JUMP、NEWSやSMAPみたいに赤が だんとついちばん人気のグループだってたくさんあるのだけども。
それでもやっぱり、センター=いちばん人気の人がつとめる、という構図が男性アイドルには当てはまらないのはとても興味深く、個人的に好もしいことであると思う。
みんなは自分にメンバーカラーをつけるなら何色だと思う?
私はいま、昔ちょっと気になっていた男の子に「オレンジ色かな、天真爛漫な感じがするから」と言われて嬉しかったことを思い出してちょびっとしんどくなりました。
ほんとはね、自分をオレンジだなんて優しく明るい色だとは思わないんだけどな、支配的で情熱的な赤がいいや。ヒーローでいたいしね。赤色はちょっと怖いでしょ。でもかなり、図々しいよな自分を赤色に据えるなんてさ。仲良くなれないしな。赤色の女の子とはたぶん仲良くなれない。
みんなの色を教えてくれよ。おもしろいやろうから。
じゃあね