男性と女性について

 

 

 

男の人と女の人は、違う。

これは身体の話ではなくて、でも、やっぱりめちゃくちゃ身体の話だ。

社会的に、ジェンダーロールとしての、男の人と、女の人は違う。

ぜったいに違うのは、身体的にできることとできないことの差があるから。その差は、上下にではなく、横軸で存在する。

身体のつくりが違うから、役割が違う。そこには優劣なんてなくて、だから、男尊女卑は最低。

 

身体の性別と心の性別が違う人だっている(※)。

でも思うんだけれども、男根よりも物事に影響するものってあるのか?

物事を破壊して、圧倒して、懐柔して、押し入って、衝動を起こさせて、アグレッシブにさせる、その器官よりも有無を言わさず余地を与えず存在するものって、ないと思う。

だから、男性の見た目をする女性には、なんのエクスキューズも要らず、ただ、自分のしたい格好をしているという主張だけがあるんじゃないのか。女の身体に男の心がある、なんてわざわざ、言葉にして分類してしまうことに、暴力性はないのか……? (男根切除はまた別の話だからここでは語らない)

Theyは(男女の別ない三人称でへんな意味合いを持ってしまわない日本語を私は知らないので英語の人称)、たぶん、自分たちを差別から守るために分類という壁をつくったんだろうけど。

私にも私のセクシュアリティがある(女の子を好きだ。その気持ちは一度も男性的なものではないけど、でも、女の子が女の子であるから好きだ。特定の女の子に、他の人とは違うスペシャルな感情を持ったことだってある。そして男の人が男の人であるからそれが友情でもその男の人を好きだ、など)。

でもそれは分類不可能だ。

ヘテロ、と言うしかない。言わなければならない時には、だ。

それをするのはほぼすべてを切り捨てたような気持ちになる。食中毒にならないために、牛肉を加熱して外側を切り落とし、中の偽物の生肉をお皿にのせるような気分。

(※なので私はこの表現が正直言って嫌いだ)

 

 

だから身体的な違いと、それによるシンプルな役割しかないんじゃないかと思う。

男の人が単独で、スマートに物事を得るなら、女の人は協力し、ケアし合いながら社会をつくる。私はそういうのが好きだ。

というかちゃんと小さく、アジャストすると、私は男の人と働くのが大嫌いだ。

私は職業的正しさに興味がないのだ。男の人は私にイライラし失望するし、私は男の人にパワーを吸い取られてやっぱり失望する。

「ちゃんとしろ」は、それを行使する人の性別に関わらず男性的な圧力だと思う。男根的なのだ。「自分で考えて、ひとりで、ベストを叩き出せ、ミスするな、わかるやろ」は。

女性たちはそうではない。女性の社会は、繋がりを最優先にし、正しさは二の次だ。正論は集合体の外で、男たちが存分に奮ってくれる。窓の外の豪雨なのだ。

 

だからこそ女性同士にはほんとの喧嘩はできないと思う。

感情は嵐で、去るからだ。

嵐が去れば人々は、家を治し道を平す。

女性同士の喧嘩の原因はほとんど感情で、だから、それはただの出来事で、去るのだ。

男性には男根があるので、喧嘩ができる。武器を持っているから、傷つけ合うことができる。勝ち負けが存在し、打ち負かすという目的がある(知らんけど)。

 

 

 

私はめちゃくちゃ母性を崇拝していて、男根も崇拝している。

だから男らしい身体的特徴を持つ男の人が大好きで、女らしい身体的特徴を持つ女の人が大好きだ。それぞれの理由で身体の大きな人間が大好き。

私には、女であるという理由で知らなくていいことややらなくていいことがあると私は思っている。男の人にも、男であるという理由で理解しなくてもいいことがたくさんあると思っている。

しかしもってまあこの考え方がまったく時代にそぐわない。加えて、男尊女卑を否定しているから昭和的な"お母さん"にもなりたくない。

私は"ママ"ひいては"mother"に、聖母的なものに強く焦がれている。ここはたぶんアメリカ的な部分だ。

家父長制も嫌だと思っている。あんなものはふにゃふにゃのちんこでしかないと思っている。なまっちろい肌のお盆にしか家族を旅行に連れて行かないメガネのおっさんの概念化だと思っている。だから私が惹かれるのは"penis"なのかもしれない。

でも、アメリカ的なものはやっぱり有無を言わさず傲慢で、支配的で侵略的で帝国的で怖いと思うから、全面的に支持したくはない。だからやっぱりpenisよりも男根がいい。

ワガママなのだ。女だから。男の特権は傲慢、女の特権はワガママ、だと信じている。

どちらも異性にとっては好もしい。

 

 

 

 

というのが、今のだいたいの私の男女観です。

 

 

 

追記

傲慢な男の人って大好きで、アメリカ的かつ日本の被侵略的な男の人って大好きで、言語よりも身体を行使する男の人って大好きで、だからジェシ〜ちゃんがやっぱり至高ということになる。

その場にいる誰もに楽しい思いをさせて自分のことを認識させないと済まない傲慢さと、自分よりも相手を楽しませたいという嫋やかさ