世界を敵に回しても君を守るよ
と歌う歌は多い。
それに対して、「世界を敵に回す君ってなんなんwwwなにしたんwwww」というツイートがバズったりするけれども、
それって笑えるか?
世界ってアメリカじゃないしロシアじゃないし、フィンランドじゃないしケニアじゃない。
世界って地球じゃない。
小さい頃、私は生まれ育った「奈良」と、「日本」とは同じ意味の言葉だと思っていた。
世界なんて考えたこともないけど、たぶん日本と同じ意味なんだろうととらえていた。
海とか海のその外の大陸について、想像もつかなかった。
行ったことのないところ、どころか行ったことのある海外の国さえも、私の世界には属していなかった。
世界は広くない。世界とは、自分の五感の及ぶ位置で終わっているし、声の届く範囲で終わっているし、思考の及ぶ土地までで途絶えている。
北海道で生まれて東京でずっと暮らしている人の世界は東京の、よく行く区と定期的に会う人々で完結している。
奈良で生まれて育ち、いま大阪で過ごしていて頻繁に帰省する私の世界は、カナダに留学したり東京に遊びに行ったりしても、大阪と奈良で完結している。
その、私の限られた小さな世界に侵入することを許したあなたが、世界の一部を溶け合わせて共有している、大事なあなたこそが、もしも私たちの世界が私に牙を剥いたときに、守ってくれますかという話だ。
具体的にはもしもあなたの母親が私を嫌っても、私の父親が親子の縁を切ると言っても、あなたの友達が私に辛くあたったとしても、私の友人が私を裏切ったとしても、住んでる場所や空気が合わなくなってどこかへ引っ越さないといけなくなっても、何があっても、私の側についてくれますか? という話だ。
極めて現実的な、環境は、人は、すべてのみんなを巡る世界は、敵になりうる。
ぜんぶだ。
私たちを囲むぜんぶだ。
そのぜんぶを敵に回したって、君の味方でいると歌う、シンガーたちは果敢だ。
ほんとうに一瞬でも誰かに対して、そう思えたならもうけもんだ。
他に何がいる?
私にそんなことを言ってくれた人はまだいないし、示してくれた人もいない、私も示したことはないし、そう思ったこともたぶんない。
私はそしてその点、Official髭男dismの「Yesterday」が大好き。
聴いてみて! ほんとに望む全てがある。ついでに「Lady」も完璧。パートナーに望むすべてがある。
望み返されたときに、私がたじろぐことは火を見るより、太陽を見るより、明らかなのだが………トゥービーコントティニュー………