さけのみ

誕生日の時期に思い出すのは、ママが去年きちんと別れた男のこと。 彼は結果的には器の小さなナルシシストだったけれども、いいところなんてもちろん、私の目から見てもあった。 そのうちのひとつが、シャンパンだ。 鉄板焼きを食べに行ったときの話は、何度…

がまん

我慢をするということは、はしたないことだと思っていた。 べつにいまもちょっと思ってる。 でも、このあいだ、友達とご飯に行ったときに。 一軒目ではビールを軽く飲もうと、入ったお店で、素晴らしく美味しそうなピザやパスタがあったのだ。 やむなく厳選…

precious 2023 is ending

2023年の総括 1月 年越しは、記憶に新しい。 2022年の末、私はママと韓国旅行に行って、そして帰れなかった。 まだ日本に入国制限があり、それを知らなかった私は国境を越えられず、ひとりで韓国、年を越した。 ひとりぼっちの金浦空港、今年初のミールは よ…

be クレイジー

世界の基準を一笑に付そうよ 体力の続く限り楽しいことをしよう、疲れたなんて口にしないように じっさい、疲労なんて感じている暇はない 毒とされているもの、アルコールもカフェインも麻薬もなんならヘリウムガスだって消化しよう そうだ、私たちは大きな…

孤独を

孤独は たしかに冷たく見えるだろう それそのものが質量を持つかのように、概念のくせに、持ち重りがしてお前を蝕むように感ずるときがあるだろう 誰もいない、ひとりぼっちだ、何も持っていない、周りに在るものが少ないということなのに持ち重りするという…

世界に

立ち止まる月子に、その着いてくるときの存在感と同じくらいの停止の気配に、私は振り返る。 どうしたの、なに見てるの。 私たちは電車に乗りたくて、そして、それに遅れそうで、なのでそれは質問というより急かすための呼びかけで、なにを(くだらないもの…

愛だ

ホテルで働いている。値段は高いけどフレンドリーな接客、スタッフみんな若くてエネルギッシュなことを売りにしている新しめのホテルで。 こないだ、おじさん白人ふたり連れがチェックインしにきた。彼らはなんかたくさん喋るし、とっても仲睦まじく、長年の…

アゲハ蝶?

もう私はぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ!!!!!!ぜーーーーーーんぶ!!ぜんぶぜんぶぜんぶ!!!!!!!!!!! 許したいのだ。 許したい。 それが自然の摂理に従っている限り、男性が男性的であるがゆえに、女性が女性的であるがゆえに、人間…

おそうめん

小さいころ、と言っても私が中学生で妹が小学生だったころまでは、祖母は1人で住んでいた。 車で10分の距離に、私の生まれる3ヶ月前に亡くなった祖父の遺物たちと共に。 その家で私たちはさまざまなものを食べた。祖母はお料理教室の先生だったから。 いちば…

心に

魔法が、女の子にしか使えないのはどうしてなんだろう。 女の子の視線に魔力が宿るのは、たぶん、江戸時代の幽霊に女しかいなかったのとちょっと関係があると思う。 男の人が実際的で現実的なぶん、地面がそういったもので支配されてしまっているぶん、たぶ…

彼の地、伊勢

伊勢市一泊二日の旅をしてきました というか三重県に24時間も滞在してない。だらだらの旅。 基本、私がひとりで遠出をするとき、それは旅行でなく旅になる。 行き当たりばったりで、計画性がなく、加えて適当で愚図な性格だ、旅そのものもそうなる。 旅行と…

手を振り上げて腰を揺らして全身で音楽を感じる、それはなにか小さな生き物の鼓動、心臓の脈動そのもののような、火傷しそうに熱いのに手を触れずにいられない、握りつぶす勢いで放さずにいられない、じゅうぶん程度に危険なエナジー 青い青い髪の、青いから…

映画観るの向いてないで

サンクチュアリっていう、ネットフリックスオリジナルのドラマがめちゃくちゃおもしろかった。 母親が少し前にかなりハマっていて、強くおすすめされていたのだが、なにしろ題材がお相撲。 人生で、『アイシールド21』というアメフト漫画でしかスポーツに夢…

最高に楽しい土日の日記

最高に楽しかったこの土日の話。 まず、土曜日はお買い物。 友達と6月末に行く沖縄旅行に向けて、水着を買いにりんくうのアウトレットに行った。 当初は難波の予定だったが、難波まで行くならりんくうまで行こうよという謎の提案に友達が乗ってくれたのだっ…

「会えるよ」

毎日毎日、ここ数年は、飽きもせずに村上龍と江國香織ばかり読んでいる。 2人とも著作の多い作家だ。たくさん書く、ということはエネルギーに溢れているということだ。文章は身体的で、少しもぐじぐじしていない。作品には本当のことだけが書かれてある。登…

ヘイルメリー

「これはな、ジョイントって言うねんや」 「このままやったらお前みたいな初心者には吸いにくいからやな、煙草の葉を混ぜるわけや」 シダがぶつぶつと説明ともつかない口調で話す。意識は手元に集中されていて、それでなくてもふだんから、オナニーみたいな…

恋はなんと孤独なものか、ということを書いた詩が自分のノートから見つかった。 ふだん、詩は書かない。書かないけど恋のただなか、私はそれを書いて、たぶん数ヶ月後この恋が終わったときに読むんだろうと思った。 私たち、つまり女たちはあらゆるものを共…

ひだまり

私はもともと植物だったのだろうかと、たびたび考える。 喜びを感じるのは乗り物に乗っているとき、なにかを待っているとき、なにもすべきでなく空気を感じていられるとき。すべて、それに許される時間が長ければ長いほどよい。 アメリカをひとりで旅したと…

しばき

女は、「あたしにはあたしの幸せがあるし別に理解されなくたっていいのあたしは幸せなの、」と一息に言った。 そのぶつぶつとした水疱みたいに意味のない呟きを発する鮮烈な傷口のような小さな、唇に私はキスをしたいと思った。 きらきらとそれだけが生きて…

HER DECEASE

祖母が亡くなった。 もう突然に、それは起こった。 私は2週間アメリカに旅行に行っていて、ずっと日本にいなかった。それに日本にいたってふつうは働いたりしていて実家にいない。 母は正社員として働いていて、建築関係なので週の中日(なかび)が休みだ。…

ちょきん

人を好きになるやり方にはいろいろあるけれども、私のそれは相手をひとたまりもなくさせるやり方だと思う。 それは当然私においては男の人に対してなのだが、やはり信頼にどうしたって基づく。 信頼というのは、人間性とか社会性とか、なんかそういうデコレ…

怒る、令和でもまだ

私は恋愛経験が少なくて、元彼というものの存在がそもそも少ないのだけれど、彼らというものは基本的にはもう二度と会いたくない類いの人間たちだ。 どうしてかというと、それなりに気まずいしそれなりにむかつく、わだかまりもある、いろいろしちゃったしい…

ラブアンドヘイト

彼女らの関係はいつまでもラブアンドヘイトだ 愛して愛して、同じだけ憎み合っているように見える。 彼女は彼を男であるから強く愛している、たとえばうっとりと車のタイヤ交換について(ジャッキをとりだして軽々と、タイヤを換えられる、男というのはやは…

重なる

「この本はおもしろかったよ、恋愛は大人でないとできないって話だった。」 マッチングアプリで会った男と本屋に行った。待ち合わせ場所が大きな本屋に近くて、会ってなにをするかなんて決めていなくて、なんとなく店に入ったのだ。 アケビは読書が好きで、…

ばけもの

男の人と、関係性を結ばずに、ただ欲望のままに、接していて気づいたことがあります。 欲望は関係性を破壊する罠だということです。 目の前の男の人を知りたいと思うと、肌の質感や匂いがどうしても気になってしまって、そう感じていることが相手にも伝わっ…

女神

私は辛抱強くない。 我慢というもののやりかたをそもそも知らない。 自分では、祖父母に育てられ、たっぷり甘やかされたせいだと思っているけれども、好きな男は私が帰宅部だったからだろうと言う。 スポーツをちゃんとしたことがないからだと。 私は決まっ…

🐭

去年 大失恋を経験した私ですが いま、まだまだぜんぜんそれを引きずっています。 私が失ったのは、好きだった人との間の真実だけではなかったのです。 私が失ったのは、男の人への絶大な信頼や信仰でした。 概念だったのです。彼は私にとって、彼ではないも…

手遅れ

ここまで生きてきてようやく気づいたのだけれども、「おもしろい」というのは危険な感情だ。 なにもかもの始まりだ。 それは興味で、お気に入りスタンプで、目で追う理由で、そして、その先の、なににおいても理由になる。 触れたいと思わなくても、キスした…

ノープ!

人にはさまざまな面がある、もちろん。 それは社会のなかでのロール(役割)に、人格が引っ張られる感じ。 求められた形、あるいは求められていると感じた形に、人は自我を寄せる。程度の差はあれど、どことなくそこはかとなく、三角、四角、星形、ジンジャ…

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また今年が終わる。 今年は何度も何度も終わるな、そしてまたやってくる。私たちは違うことのなかに何度も同じを見つけ出し、少しでも地続きの明日を生きようとする。 12ヶ月ぶり、ほどよく久しぶりの1月1日、そのせいで同じと違うの違いが曖昧になる、でも…